「郡山にWEBマーケティングを広めたい」株式会社ハタフル臼井さん

こちらは1月18日に渋谷で行われる「郡山ナイト〜郡山の企業との関わり方を考えよう〜」の記事となります。イベント特設ページはこちら

東京から郡山へUターンし、WEB制作事業を行っている株式会社ハタフル代表の臼井さん。
昨年も臼井さんにお話を聞き郡山ナイトにもお越しいただきました。今回は1年経ってその後のお話を聞いてきました。

―― 2年間、WEBマーケティングを地方に広めたいという思いでやられて、感触はどうですか?

臼井翼さん

結論から言うと、少ないんですけど、やっぱり求めてる人はいるなっていう。あと、「必要だな」っていうところまではいかないけど、「やばいのかな…」みたいなモヤっとした感じの人達は3割ぐらいいます。それ以外の残り7割の人はどっちかというとまだ無関心な人達かなって感覚なんですよ。

その1割の人、本当に必要としてる人を確実に支援するっていうのもそうなんですけど、そのモヤってしている3割の人にどうやって伝えて、その課題を明確にするかというところを今まで2年間やって来たと感じてますね。

実際にやってみて結果として数字に現れたりするので、その結果で驚く人がすごく多いんですよね。例えば、今までチラシだったりとか、新聞広告の折り込みとか、どっちかっていうとアナログな手段を使ってしかやってこなかったけど、WEBを初めてやってみたらこんなに結果が出たとか。結果がついてくると説明もしやすいですし。

今までは「価値があるんだよ」と言っても根拠がなかったというか、その裏付けって何?っていうところが足りなかったんです。なので、今は事例とかをばんばん出して、それこそ「リスティング広告でこれぐらいの広告予算でこれぐらいの獲得単価で何件取れましたよ」っていうのを出しています。

―― 最近新しいサービス始めたとお聞きしたのですが、どんなサービスなんですか?

臼井翼さん

動画ですね。うちで映像を撮影するわけではないんですけど、会津の会社さんと一緒にこの前岩手に行ってきたんです。写真だけでは伝えきれないものを動画で伝えるという内容です。例えば、働いてる人のリアルな姿を動画で作成して、採用活動に使ってくださいという感じです。企業のコーポレートサイトに使ったりもあるんですけどね。

あと広告です。YouTubeだったりInstagram、facebookとかに動画の広告を出すというのを最近やり始めましたね。既存としてはWEBの制作と、広告と、「福島TRIP」の運営と。あとコンサルをうちでやっている感じですね。

―― 人とマッチングして新しい事を取り組む際に、臼井さんから提供できるリソースはありますか?

一番は「人」ですかね。今いるうちの人間のスキルは高いです。僕が東京でやっていて色々見て来ている中でも、スキルが高い人がこの福島にいるのは、うちの会社の強みかなって思っています。もちろんそのスキルにかけ合わさって地方のノウハウみたいなのが溜まっている状態なので、そういう人材の部分が一番うちの特徴であり、提供できるリソースなのかなとは思います。

―― どういう人と組むか、ということではどうですか?

臼井翼さん

僕らは福島が地元だから何らかの理由があるわけですけど、例えば東京出身で、福島と関係ないとなった時に、極端な話ですけどその人には福島でやる理由がないわけじゃないですか。「同じ目線でできる人」であればと思いますね。同じところで「熱量」が高められるというか。

うちの会社全体にも言ってるんですけど、「自己実現しようよ」という話をよくするんですよね。自分が描く「こうあるべきだ」、「これやりたい」とか、そういうのを積極的に取り入れて動いてるっていう感覚はあります。そこは柔軟なのかなと思います。

―― 事業体としてはどうですか?例えば、ITから物販まで何でも良いとか。

臼井翼さん

事業体で言ったら、今一つ目は「WEB」が結構大きいので、WEBの部分で動いてるんです。「福島TRIP」はまさに「WEBで新しいことを」というビジネスですね。でも、基本的には実現性があるっていうのと、ある程度売上が見込めるて、ワクワクするのであれば「やろうよ」というスタンスなので。
 
そういえば、ワクワクっていうことでいうと、全く関係ないことで最近始めたことがもう一つあるんですよ。うちの妻が猫好きなんですよ。また別に他のメンバーで実家が家具屋さんのメンバーがいるんですね。で「猫家具を作る」っていう(笑)。猫家具って、国産だと本当にいいのモノがないんですって。海外産になると国内で販売もされてないから、それを作ってみるのはどうかみたいな。

それゆえに、ハタフルが何屋さんになっていくかよく分からなくなってくる可能性はあるんですけど。でも、本当にそれぐらいのスタンスでやってますね。そんなに細かく僕の中で「これやりたい!」「これやりたくない!」っていうのはあんまり無い気はします。出来ればそこで地元の福島ならやる意味がもっと出てくると思います。

―― ジョイントベンチャーや他社との協業はされてますか?

協業というかシェアオフィスですから、下の会社が広告代理店のポジションなんで、彼らは紙が強くて、うちはWEBなんで、その中にお互いの強みを持ち合ってやる案件とかも結構あったりします。協業っていう部分でいくと、もうすでにやっているっていうんですかね。ジョイントベンチャーまではいかないですけどね。

―― ハタフルには東京から入ってきた人はいらっしゃいますか?

一人は東京から地元に戻って来て僕が会社を立ち上げました。もう一人は千葉から僕が呼び戻してこっちに来ました。もう一人は千葉にいた人で、来年入る人もそうですね。

―― リモートでワークされている方もいるんですか?

臼井翼さん

います。新潟の主婦の方ですごい優秀な人が。うちの会社の人間が、前に同じ職場だったっていう縁で。「こういう人いないかなー」「あ、いるよー」ってなって、じゃあ毎月ある程度手伝ってくださいってなりました。その人は農家の奥さんなんです。いちごのパック詰しながらリスティングばちばちって(笑)、そんな一風変わった人がいますね。

今でも東京のパートナーさんとかに依頼したりとか、それも全部リモートでやってます。逆に、東京の仕事も全部リモートでやってるので、リモートワークへの抵抗はないですね。

―― 優秀なリモートワークの方もいるということで、人材には困ってないのでは?

臼井翼さん

いえいえ、全然です。広告を回す人間がパートさんも含めて2人なんで、捌ける量がどうしても限られちゃうんです。例えば、ある程度の予算を出してくれる会社さんが1社あるだけで、かなりリソースが圧迫さることもあります。そうなると、受けられない案件もあるんです。1期目は「受けられない、受けられない」が多くて、すごい機会損失を出しちゃったんです。最近は外部のパートナーさん、いわゆる外注先の方、ともお付き合いを始めてやっていますね。それでも結構きついですけど、なんとか回してます。

―― 話は戻りますが、7割の「無関心」なお客さんへのアプローチはしないんですか?

もうちょっと大きな会社さんであったり、体力があるような会社さんであればそこをガサッと出来るんでしょうけど、それこそ人が足りないのでそこまでは出来ないですし、現実的に価値観ってなかなか変わりにくいと思うんですよ。

3割のお客さんに対して結果を出してあげて、それが7割の人達にも伝達してけばいいんじゃないかなと思います。それに、残りの7割の人達は「ヤバく」ならないと気付かないと思うんですよ。危機感に襲われた時、それが一番変化のタイミングなのかなと思うんです。

―― 今後面白そうだと感じているビジネスはありますか?

臼井翼さん

さきほどもお話した「福島TRIP」ですね。実は今年の1月から「新しいサービス」にしようと動いていたんですよ。ですが、色々とエンジニアサイドに課題があって出来なかったんです。サービスが開発出来なかったんですね。今はどちらかというと「情報発信するWEBメディア」みたいな感じですけど、最終的には「観光」に+αで「体験」を、付加価値を提供するサービスっていう形にしたいなと思っているところです。

結局、情報を発信するのは良いけど来てもらわないと…っていうことじゃないですか。そういったときにコラボみたいな話で、究極を言ったら福島TRIPの民宿を作りたい人が来たとして、「福島TRIPよの提携」でうまくコラボできたりとか、そういう形もあり得るんじゃないかなとは思うんですよね。

―― 福島の情報を発信すると同時に、福島に人を呼ぶということですよね?

臼井翼さん

そうです。きっかけと、来てもらうまでを仕掛ける。福島TRIPのPVは、夏ぐらいが多くなるんですよ。福島の観光シーズンによるんですけど、マックスでいくと今は月間45、6万PVとかですね。ユニークの人でいうと16万とかですかね。一人が大体2、3ページ読むっていう。リアルタイムで51人も来てる・・・(笑)。テレビで取り上げられたのかな(笑)。

―― 福島TRIPで売上を爆発的に上げたいなど、目標はありますか?

それはもちろんあって、福島TRIPの収益を前提に考えてます。福島TRIPを活用したワクワクするビジネスモデルを考えていきたい。でも、どちらかというと僕は、WEBはうちらでやるんでリアルの方で足りないことを埋めて欲しいというのが大きいかな。そこを補えるものがあればめっちゃ面白そうだなと。「福島の観光客の満足度を高めよう」とか。「旅行したい県No,1を目指そう」とか。

2019年1月18日に渋谷で開催される、郡山ナイト〜郡山の企業との関わり方を考えよう〜にて郡山との関わりを地元企業を介して関わる方法を考えるイベントを開催します。
ハタフルの臼井さんも参加されるので、ご興味のある方はお気軽に参加ください。
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