都会の暮らしに迷っている方に、温泉街の一員として新たな生き方を渋温泉小石屋旅館

こちらの募集は終了いたしました。

都会でずっと頑張ってきたけれど、このままで良いのか。忙しい毎日を過ごす中で、そんな気持ちを抱くことがあるかもしれません。あるいは、移住に興味があるけれど、これまでやってきたことも活かしたいという気持ち。

長野県の山ノ内町、温泉街として400年以上の歴史を持つ渋温泉。ここには、新たな働き方の可能性があります。渋温泉では、旅館やホテルでの働き手を募集しています。体力仕事ではありますが、その先に、この地域の一員として、温泉街の未来を考えるという仕事も求められています。

渋温泉の魅力、そこでの生活、そして働き方について、約80年ぶりの新規参入としてこの街にオープンした旅館「小石屋旅館」を運営する株式会社ヤドロク 代表取締役の石坂大輔さんにお話をうかがいました。

石坂さん自身、東京生まれ、埼玉育ちで、証券会社勤務という経歴。ただ、仕事を通じて訪れた長野県、そして渋温泉に可能性を感じ、廃業した旅館を買い取ってリニューアル、小石屋旅館をオープンさせました。現在はこの地域の一員として、移住者の受け入れにも積極的に取り組んでいます。

渋温泉での暮らしと仕事、ここで求められるのはどのような人なのでしょうか。

株式会社ヤドロク 代表取締役 石坂大輔さん

豊富な自然、温泉、人間関係が近いところも魅力

湯田中渋温泉郷を眺める。川沿いにぎっしりと宿が立ち並んでいます。

渋温泉は、長野県下高井郡山ノ内町にある温泉。「湯田中渋温泉郷」と呼ばれる温泉郷です。周囲には、上信越高原国立公園に指定されている志賀高原や、スキー場もあり、季節ごとに楽しむことができます。

また、渋温泉から近い、志賀高原を源とする横湯川の渓谷には、冬場、野生のニホンザルが温泉に入るところが見られる「スノーモンキー」で有名な「地獄谷野猿公苑」があり、日本国内のみならず世界から観光客が訪れます。

渋温泉は、温泉王国といわれる長野県の中でも、豊富な湯量と泉質を誇ります。渋の全ての旅館と外湯は源泉掛け流しで、源泉によって成分が異なるので、好みや体調に合わせて湯めぐりを楽しめます。渋温泉の由来は1300年ほど前の伝説にまでさかのぼることができ、はじめて宿ができたのも400年ほど前と、歴史ある温泉街です。

この川も昔から変わらず流れているのでしょうか。川音が響き気持ちの良い風が流れます。

そんなさまざまな魅力のある渋温泉ですが、ここに暮らす石坂さんから見た渋温泉の魅力のひとつが、お客さんとの距離が近いところだそうです。

渋温泉の魅力とは。この地で暮らしているからこそ、良い面、改善すべき点が見えてきます。

「一番すごいなと思ったのが、お客さんがお客さんを送迎しているのを見たときですね。この温泉街って、毎年来ているリピーターのお客さんが結構いて、十年、二十年と通って家族みたいな付き合いをしているお客さんがいるんですね。そういう人って長い時には一週間ぐらい泊まったりするんですよ。宿の人もそこまで気を遣わないし、お客さんもそれが良い。そうすると、お客さんも夏とか繁忙期に宿が大変なのが分かるじゃないですか。『代わりに行こうか』と、宿の車を使って駅まで他のお客さんを迎えに行って、送迎しているんです。この温泉街って良いなと思った瞬間ですね」。

渋温泉の街並み。宿や住宅など、地域に溶け込んだ建物が並びます。

渋温泉にはコンビニやチェーン系の飲食店など、外部の資本が一切入っていません。一部大規模の旅館やホテルに派遣のスタッフはいますが、働いているのはほとんど渋温泉や近隣に住んでいる人達です。

すべて地元の人が営む店、家で形作られた街に立つと、渋温泉の距離の近い人間関係ができるのも分かる気がします。すべてが地元になじんでいるという感じで、この光景は、かなり貴重なものでしょう。

古の趣を残す小石屋旅館を再生、世界から人が集う場に

小石屋旅館は、廃業した旅館を買い取ってリニューアルし、2015年8月にオープンした新しい旅館です。渋温泉への新規参入は、なんと約80年ぶり。歴史ある温泉街への新規参入ということで、石坂さんは温泉街の宿を一軒一軒回り、温泉街を一緒に盛り上げていきたいという想いを伝え、関係作りに努めてきました。

小石屋旅館の入口。看板に歴史を感じます。

新にオープンした小石屋旅館は、もともとの建物の和の趣を活かしながらも、今風のテイストを取り入れ、過ごしやすい空間となっています。宿泊は、個室、ツインルーム、グループルーム、ドミトリーがあり、素泊まりで、いずれもリーズナブルな価格で利用できます。

特に海外からの利用客が多く、館内には、英語での案内や、世界中から訪れる宿泊客の楽しそうなメッセージが残されています。

カフェの壁に広がる世界地図。各国から訪れた人のメッセージが書かれています。

(今回、小石屋旅館に宿泊させていただいたのですが、用意していただいた部屋が入ってびっくり、遊び心満載の部屋でした。壁一面、黒をベースとしてきらきらと星のように光る欠片が混じる塗装がなされ、電気を消すとまるで宇宙の中にいるかのよう。通常の部屋もあるのですが、この部屋はちょうど改装したばかりだったそうです!)

小石屋旅館に入ってすぐ、1Fはカフェとレストランになっており、朝はサンドイッチショップ、夜は長野県産ワインと信州食材を取り入れた食事を中心としたレストランとなります。スタンディングバーもあり、ワンコインから飲物を楽しむことができます。珈琲にもこだわりがあり、香ばしくゆったりとした気持ちになる味でした。

レストランのメニュー。地元の食材やビールを楽しめます。

こちらはカフェスペース。ゆったりとした空間。

旅館を開業するにあたって、近隣の人の声を聞いたところ、この辺りに気軽に立ち寄れる飲食店が少ないという声があり、この空間が併設されたそうです。宿泊客以外でも、近所の旅館に泊まっている人、近所に住んでいる人も気軽に立ち寄ることができます。実際、取材で訪れた日の夜も、近所の方がふらりと立ち寄ってのんびり話をされていました。

カウンターでは、スタッフの方やお客さんと話しながらのんびり過ごせます。

また、小石屋旅館には温泉施設はないのですが、宿泊者は近隣の老舗温泉旅館・湯田中温泉「よろづや」の「桃山風呂」「東雲風呂」を無料で利用できます。桃屋風呂は特に、純木造伽藍建築で、国の登録有形文化財に指定され、日本の大浴場ベスト10にも選出された名物風呂です。

今回、この温泉にも案内していただいたのですが、旅館自体かなり立派な構えと内装で、温泉は広々かつ重厚な作り。こんな温泉に入る機会はなかなかないなと感動しました。

人手募集中!ミスマッチをなくすためのお試し移住

渋温泉でもやはり、人手不足が問題となっています。移住者も積極的に募っていますが、その際にネックとなるのが、地域のコミュニティに溶け込めるかというところです。渋温泉の場合、生活や仕事、住むところにはそれほど困らないのですが、地域に溶け込めるかという点は、向き不向きがあります。

実際に、移住を希望して仕事も決めてきたけれど、地域になじめずに戻ってしまうというパターンも少なくないそうです。都会に比べるとどうしても生活に干渉されると感じることはありますし、地域の寄り合いや行事、消防団など、参加しなければいけない集まりも多くあります。

「これは自分自身の経験ですが、地域の組の役員をやっていて、その組の誰かが亡くなって、誰かは分からないけどその人の葬儀で係をやって火葬場まで付いて行った、なんてこともあります。そういうことが苦にならない、むしろ面白いと思うからできるんですけど、移住というのは結構人を選ぶところがありますね」。

そこで石坂さんは、自治体と組んで移住について相談会できる場を企画し、移住希望者が求める条件をヒアリングした上で、マッチする企業を紹介するという取り組みを行っています。また、いきなり移住するのではなく、お盆やお正月などのまとまった休みを利用して、1~2週間、実際に渋温泉に住んでみて、働いてみる「大人のインターンシップ」も開催しています。

渋温泉では、多くの旅館やホテルが寮を持っているので、住むことに困ることはあまりありません。また、ヤドロクで寮事業も行っていて、使わなくなった旅館をまるごと一棟借り上げて、リフォームした上で、寮として運営しています。ここには、ヤドロクのスタッフはもちろんのこと、他の旅館のスタッフも住んでいます。こういった、一つの寮に複数の旅館、ホテルのスタッフが生活するという形は、他にはないそうです。

寮の入口。「Ping-pong Club」とありますが卓球は関係なく、ちょっとした遊び心。この看板を見て海外の方がたまに訪ねてくるのだとか。

寮の部屋。元旅館の雰囲気が残っています。

寮内にもお風呂がありますが、近隣の外湯も利用できます。

こういった寮を作ったのは、石坂さんの経験に基づいて、地域の活性化にも役立つと考えたからです。

「以前、仕事で勤めたことのある温泉郷で、10~15軒ぐらい旅館やホテルがあるにも関わらず、他の旅館やホテルの人と話したことが一回もなかったんですね。旅館やホテルというのは、社長同士は交流があっても、情報交換をされたくないというのもあって、従業員同士の交流は嫌がる傾向があるんです。でも、せっかく同じところで働いているんだからもうちょっと仲良くしたいという思いがあって、それを寮という切り口で実践しました。従業員同士が和気あいあいと仲良くなることができれば、移住する人の定着率も高くなるんじゃないかと思っています」。

寮の共有スペース。ここで交流することも。

働き方を考える30代に、渋温泉にある可能性とは

移住希望者にもさまざまな人がいますが、渋温泉で特に求めているのが、都会でそれなりに働いてきた30代ぐらいの層で、家族連れや、移住して家庭を築きたいという人達です。

「これは自分の考えですが、若いうちは一度都会で荒波にもまれた方が良いと思うんです。特に、一度大企業の一員として働く経験があった方が、それだけ大きい仕事に一部分でも関われますし、スキルも身に付きます。そうやって経験値を高めてから、それを地方で活かしてもらいたいなと思います。新卒で、最初からここで働き始めると、ここのことだけしか知らないままになってしまいます。他の地域の情勢とかは絶対学んでおいた方が良いし、その方が地域に役立つことができます」。

小石屋旅館でも、長野県出身の人で、東京で働いていたけれども、やはり長野が良いということで戻ってきた人を、正社員として雇っている例があります。

また、旅館やホテルで働く場合、まずは荷物運びや布団の上げ下ろし、掃除などの体力仕事が多くなります。どうしても単調な作業になりがちですが、その中でうまくモチベーションを保てるかどうかが、仕事が向いているかの基準にもなります。

「掃除をするのでも、次に来るお客さんに気持ち良く過ごしてもらいたいと思いながら掃除をするのか、単なる掃除だと思うのかで、全然違ってきます。基本的にはルーティーンの仕事なので、それをどう捉えるかで違いが出てきます」。

日々の業務を回す人手がほしいのはもちろんですが、中長期的に事業をどう展開していくのかという、経営戦略的なことを考えられる人材も、求められています。昔から働いている従業員はいても、経営戦略を任せられるかというと別で、結局コンサルタントに入ってもらうというケースも少なくないそうです。

渋温泉で働いて、地域の一員として暮らしながら、一緒にこの地域の未来を考えることのできる人材がいれば、それはとても望ましいことです。

「東京で30代ぐらいまで働いてスキルも身についてくると、将来について考える時期があるじゃないですか。そのまま会社で一生働いていくのか、違うことをやるのか。そこで何か新しいことをしたいという人に来てもらって、修行の期間は必要ですけど、今後、そこでかじ取りを任せることのできことができるような人がいたら、良いですね」。

特に、ここにしかない住環境や、やったことの結果がダイレクトに返ってくる面白さというのは、他にはないものです。

小石屋旅館を例にとっても、リーズナブルな価格と英語での対応といった海外からの訪問客が泊まりやすいような体制を整えるだけで、多くの訪日外国人が宿泊してくれるようになるという、目に見える結果につながっています。

そんな渋温泉の可能性。何か今の働き方を変えたい、あるいは渋温泉という街に心惹かれるものがあるという方に、ぜひお試し移住でこの街での暮らしというものを感じていただきたいです。

応募に関して

募集内容

組織名

(1)(2)株式会社ヤドロク
(3)日本観光投資株式会社

募集職種

(1)旅館業
(2)飲食業
(3)旅館業

業務内容

(1)接客・フロント・清掃・調理等
(2)調理・接客
(3)接客・フロント・清掃・調理等

雇用形態

(1)正社員/アルバイト
(2)アルバイト
(3)正社員/アルバイト

勤務地

(1)長野県下高井郡山ノ内町平穏2277
(2)長野県下高井郡山ノ内町志賀高原
(3)長野県下高井郡山ノ内町の旅館、ホテル

給与

月給15万円~ / 時給800円~(勤務形態による)

勤務時間

シフト制

休日

(1)年間96日
(2)週1~2日
(3)週1~2日

応募条件

(1)人の話が好きな方、調理経験がある方尚可
(2)調理経験がある方
(3)山ノ内町への移住を考えている方

宿泊費用

(1)(2)5000円/月(個室)
(3)勤務会社による

期間

(1)特になし
(2)12月初旬ー3月末まで(3)1週間~

交通費

(1)弊社負担(上限500円/日)
(2)自己負担
(3)勤務会社による

選考方法

書類審査⇒面接⇒採用

その他

(1)正社員への登用あり
(2)正社員への登用あり・リフト券シーズンパス付
(3)は町内の旅館のご紹介になります。インターンや正社員でもご希望に合わせてご紹介できればと思います。(厚生労働大臣許可 20-ユ-300181)

申し込みフォーム

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