「仮想通貨より、じゃがいもの方がポテンシャルがある」じゃがいもを通貨にして日本一周したら

こちらの募集は終了いたしました。

この記事は、仮想通貨の話ではなく、粟島産のじゃがいもを通貨にしたらという話。

千円札って簡単に言ってしまえば、紙。
そのモノ自体には、そんなに価値はありません。

だけど、みんながその紙を「千円としての価値がある」と信じているから、お金の価値って担保されてますよね。
その信用が「食べられる」とか「誰かがつくった」とかで支えられれば、価値基準が変わるんじゃないのか。そんなことを考えさせられたインタビューでした。
その2人が粟島でビーチパークなどを作るための仲間を探しています。

とにかく「じゃがいもが通貨になる可能性を感じた二人」という言葉に興味を持った方は読み進めてみてください!

粟島の海と青い空(株式会社マチカラ提供)

新潟県粟島産のじゃがいもと交換したものしか食べないというルールのもと、2週間全国を回りながら、その様子を動画にして配信するという取り組み「もしも、粟島産のじゃがいもを通貨代わりに日本一周したら」(通称:もしじゃが)を行った株式会社マチカラのお二人。

弊社に、第一回目の旅が終わったとの連絡をイイダさんから受けて、話を聞きに伺いました。インタビュー前は不安しかなかったけど、予想以上にいい話でよかった・・・。

イイダさん

空間などの設計デザインをやりながら、新潟県の粟島にビーチパークや、シェアスペースを作るプロジェクトを立ち上げている、株式会社マチカラの代表。
オフィスの設計などの実績はすごいらしい。

ねるねるさん

大江戸クラフトビールやパクチーフェス、無音フェスなどのイベントの企画などを行っている株式会社東京クラフトビールマニアの代表であり、株式会社マチカラの副代表。イイダさんと一緒に粟島のプロジェクトをやっている。最初から最後までサングラスはかけたまま。

なんで、じゃがいもなの?

ー 単刀直入に聞きますが。なんで、じゃがいもだったんですか?

イイダ

粟島のおばあちゃんたちが日常使いでじゃがいもを作っているんですが、それがめちゃくちゃ余ってたからです。

ねるねる

その余っているというのが、想像しているレベルではなくて。
腐ったじゃがいもの墓場みたいなところがそれぞれのお宅にある。

ー 墓場ですか。

イイダ

じゃがいもって、こんな匂いになるの?!みたいなトラウマになる匂いが立ち込めてます(笑)
でも、そのじゃがいも、美味しいんですよ。

ねるねる

島のおばあちゃんたちは特別なことしてないでしょうけどね。なぜか美味い。

ー 島っていうと、海の幸とか水産加工品が名産品じゃないのでしょうか?

イイダ

島には水産加工場みたいなところはありますが、現状そんなに動いている気配がないですね。その辺りも僕らが何かできたらいいなと思っています。

ねるねる

他の名産品は足が速いんですよ。
今回会った農家さんとかも言ってたんですけど、それを持って旅することはなかなかできない。
やはり、日持ちするじゃがいもが通貨としていい。

「通貨」としての、じゃがいもの魅力を語るねるねるさん

ー (通貨としていいって・・・。)
じゃがいもが通貨として、通用しなかったとかはなかったんですか?

イイダ

今回、都市圏での交換はハードル高かったんですよね。旅の半ば、特に大阪なんかは声かけづらいし、メンタルやられたってのもありますけどね(笑)
都市圏はほんとに難しかった。

ねるねる

そもそも、自分みたいな東京とかに住んでる人に、突然じゃがいもと物々交換してくれって言っても何も出せるものがないんですよね。
急に家に来られても、カップラーメンとかレトルトとかスーパーで買った野菜しかない。それってすごく都市圏の弱いところだし、加工品とかじゃ魅力が半減すると思うんです。

ねるねる

つまり、日持ちするじゃがいもが通貨としていい。

粟島から日本各地を周って来た通貨(じゃがいも)

今回のじゃがいもは日本円にすると、、、、

ー たしかに物々交換ではなくて、じゃがいもを「通貨」にするって、考えは面白いですよね。

ねるねる

仮想通貨とか形のない通貨ができているけど、じゃがいもってリアルにあるじゃないですか?
通貨として日本円の代わりに機能しないのかってところですよね。じゃがいもはハッキングされないですし。

イイダ

クッキングはされちゃうけどね(笑)

盛り上がっている二人

ー ・・・仮にじゃがいもを通貨としましょう。
じゃがいもの卸売価格って1kgあたり*約105円なので、150kg持って旅をしたとすると、日本円に換算して約15,750円です。今回、その金額を持って旅したと思ったらどうでしたか?

*ベジ探 2018年2月東京中央市場の国内総計より

ねるねる

それをふまえると仮想通貨以上に、じゃがいもの方がポテンシャルある!
たぶん10万円以上の価値にはなってるね。

イイダ

自慢の野菜とか、お酒とか、宿を提供していただいたりしたので、余裕で超えてますよ。
旅の最初のほうに、KIYA DESIGNの成川さんという方と木製のバターナイフなどと交換したのですがその時点で、じゃがいもの純粋な金額は超えてますね。(DAY3-新潟編-)
でもレンタカー代とガソリン代がすごく高かったので赤字です。

ねるねる

たぶん、持ってきたってことに付加価値があると思うんですけど、運べば価値が上がるんだから、じゃがいもすごい。

イイダ

今回農家さんも多かったので、これいくらではなく、ぜひ食べてくらいの感覚で交換してくれたんです。お互いに、お金を前提にしていなかったっていう感じですね。

ー 極論ですが、じゃがいもあればお金いらないんじゃないかとか?

ねるねる

思いましたね、じゃがいもというよりは結局、農家は最強だと実感しました。

イイダ

もしかすると、じゃがいもでリッツ・カールトンに泊まれるかもしれない。今回の旅でじゃがいもは10倍以上の価値になりましたからね。

ねるねる

交換できるし、そのまま食べられる。つまり、じゃがいもは食べられるお金。

食べられるお金(じゃがいも)

物々交換は等価交換じゃない不等価交換だからいい

ー お話を聞いて物々交換って、等価交換ではないのかなと

イイダ

旅の途中で等価って無理だなと実感しました。
それが良くって、旅の途中ちょっともらいすぎたなという感覚が常にあったんですよね。
そのちょっとした心残りが、終わった後も「新じゃが送りますね」とかそういったコミュニケーションが続いていく気がしているんです。

ねるねる

どちらかが、ずっと余分に送り続けるから等価にならずに、差分を返すということを繰り返す、その不等価交換がいい。

イイダ

しかも、東京都心で震災が起こって当たり前の機能が麻痺したら、一番強いのは野菜持ってるような農家さんとかですよね。
何かを作れる1次産業はやっぱりすごい。

ー 旅のことにも少し触れたいと思います。個人的には、交換した翌日に、わざわざ連絡してお弁当をくれたかたが印象的だったんですよね。

イイダ

富山の富がえりのレシピさんですね。(Day4-富山編-に出てきます)
翌日に「お弁当作ったんで」って連絡きた時に、じゃがいも用意しときますっていったんですけど、「いいですよ、昨日もらったんで!」「いいんですか?!」みたいな。

ねるねる

唐揚げなんか食べられると思わなかった。この旅は肉が不足してましたからね、それが嫌だという訳ではないんですが、二日連続で野菜だけの鍋をいただいたり。

イイダ

鍋準備するよって、おもむろに「何あったけかな?白菜あって、あれあって」みたいに目の前にあるものから取り出す感じがまたいいですよね。無いものを買い足すよりあるもので足らせる。さらに、美味しいからいいじゃんみたいな。

旅でじゃがいもと交換してもらった野菜(株式会社マチカラ提供)

イイダ

しかも、帰ってきてから連絡いただいたんですが、交換してくれた人を中心に、さらにじゃがいもが近所の人たちで交換されてるみたいなんです。本当にじゃがいもは通貨ですよね。

ー それは通貨って感じがしますね。行き当たりばったりで交換したりとかもあったんですか?

ねるねる

ないです。
道端で僕らじゃがいも持ってるんで何かと交換してくださいとか、そういうのはテレビとかでやれば良くって、僕らは違うなと思っていて。

イイダ

じゃがいもが交換して何になるかだけでなく、各地のおもしろい知識や知恵、経験などとも交換する。さらに、その様子を映像配信して行くみたいなことに重きを置いていたんです。

イイダ

それと、今回は初めてお会いする人の方が圧倒的に多かった。
何人かは会ったことありますが、泊まらせてもらったり、お話聞きに行った人は全員初めてですね。

ー 行く先々には事前に連絡してたとは思うんですが、宿を提供してくれるとかは決まっていたんですか?

イイダ

いえ、何も決まってなかったです。途中、石川のまるやま組の坂本さん(DAY5-石川編-)で泊めていただいたのをきっかけに、味をしめたというか(笑)
宿と交換できるんだということに気づきました。

イイダ

しかも泊まって、ご飯を食べたり飲んだりすると仲良くなれるし、面白い話も聞けることに気づいたんです。そこからアポを取る時は、宿と食事も交換できますかと聞くようにしました。

ねるねる

これは、一つのハウツーですね。物々交換の旅をやる皆にやって欲しい。

ー そんな人、あまりいないと思います・・・。

ハウツーを説明している、ねるねるさん

ー 今回の旅で、印象的な人たちにはどんな人たちがいましたか?

イイダ

皆さん、取り組みが面白くて印象的でした。
全て見てもらいたいので、もしじゃがの動画を見て欲しいのですが・・・。
和歌山の田村という地域でみかん農家をやっている「紀家(きち)わくわく」さんとか。(Day9-和歌山編-)
移住でいうとUターンの人たちなんですが、その地域を良くするために何ができるか?とか宿泊も無料で手伝いするとご飯が出てくる仕組みがあったりとか。

紀家わくわくさんとマチカラの二人(株式会社マチカラ提供)

ねるねる

それだけじゃなくて、東京大学の学生を中心としたサークル、みかん研究会とかを受け入れたりしてるみたいで。東大生(大学生)などがなかなか訪れる地域ではないと思うので、そういうのいいですよね。

イイダ

そういった、取り組みを粟島でもしたいんですが、受け入れる余白がなくて・・・。
よくある空き家問題なんですが、まずは僕らが信用を得て島の人たちから空き家を借りて、今後いろいろな人が来れるような余白をつくりたいなと思っています。

ー 空き家って使われてはいないでしょうが、個人の資産ですもんね。

ねるねる

信用も大事なんですけど、空き家を貸しやすい仕組みとかも必要だと思うんですよね。
例えば5年間だけとか、絶対に返してくれるという保証がないと貸しにくい。
だからリノベーションして綺麗にして返しますよって提案とかもありなのかなと。
「3年だったら入口をバリアフリー、5年だったら手すりもつけます!」みたいな。

イイダ

10年だったらフルリノベーションとかね!
借りる側もリノベーションしたいだろうしね。

ー ちなみに旅は、あと何回あるんでしたっけ?

ねるねる

あと4回くらいありますね。北海道編、四国編、九州編とかやるつもりです。

イイダ

北海道はじゃがいもの産地だから鬼門だね。
「じゃがいも」と「じゃがいも」の交換とかになったらどうしよう。

ー 確かに、北海道の人に他県のじゃがいもを食べてもらうってちょっと勇気いるかも。

イイダ

信憑性は怪しいんですけど、粟島はアイヌの関係もあるみたいなんですよね。地名もアイヌの言葉で呼ばれてるとこもあるみたいです。
一時期、短歌?が島内で流行ったみたいで、島にそれが彫られた石碑がいくつもあるんですけど、その石碑にアイヌの言葉とかが一部入っていて。

ー え?島内で流行って、石碑を建てたってことですか?

イイダ

しかもそんなに古い石碑ではないです。

ねるねる

新潟に所縁のある文化人の歌らしい。

粟島にビーチパークやシェアスペースを!

ー 今後は粟島で、どのようなことをされるんですか?

ねるねる

今後、ビーチパークやシェアスペースなどを作る予定です。
もともと、粟島にはキャンプで来たりする人がいるので、BBQ場はあるんです。
ただ島内に肉屋がないので島外から購入してきているようなので、肉屋も作りたいと思っています。

イイダ

ビーチパークは土地もすでに借りることが出来てます。
5月から着工し、2018年夏にはオープン予定ですね。

ビーチパーク完成予定イメージ(株式会社マチカラ提供)

ねるねる

その土地を貸してくれている人がめちゃくちゃいい人で、昔から粟島に人を呼びたいという思いを持っていたようで。その想いもあってか「なんでもいいからやっちまえ!」ってことを言われるんです。

イイダ

逆に僕らは「いやいや、なんでもよく無いでしょ!」みたいな。
ちなみに、Day2-粟島編-で島内を案内してくれている民宿の為さんというかたです。

ねるねる

そしてもし、ボランティアでもいいから僕らを助けてくれるとか、ゆるくでも携わりたいという人がいたらご連絡いただけると嬉しいです。

「あげる」という意識しかないからこそ、コミュニケーションが続いていく。

「あげる」「もらう」という一連のやりとりが、「交換」なのですが、「もらう」ことが前提だと、どこかで破綻してしまう。

お互い「あげる」ことしか考えていなくて、結果としてギブアンドテイクになっているというのは、理想的なコミュニケーションだなと思います。

移住する際、元々住んでいる人たちとの関係性が問題になることもありますが、地域でも人でも「与える」ことができるかどうかが重要なのかもしれません。

今回は、じゃがいもを通貨に旅をした株式会社マチカラのお二人にインタビューしました。これから新潟県の粟島を活性化させる取り組みが本格的に始まります。

プロジェクトに興味がある方はぜひ連絡してみてください。フランクなお二人ですから、気軽でいいと思います(笑)

SHIJYUとしては、ビーチパークができるまで進捗を追う予定です。乞うご期待!

もしじゃがの動画みたいならこちら

応募に関して

募集内容

組織名

株式会社マチカラ

募集職種

(A)離島事業担当
(B)ビーチパークスタッフ
(C)離島アクティビティインターン

業務内容

(A)新潟、長崎、鹿児島などの離島拠点の設置(2018年は粟島)
(B)接客、調理、清掃、イベント、SNS投稿などパーク運営に関わる全て
(C)粟島内のアクティビティプログラムの運営補助

雇用形態

(A)契約社員(正社員登用を前提とする)
(B)短期アルバイト(8〜9月中旬頃)
(C)インターンスタッフ(8〜9月中旬頃)

勤務地

(A)7月〜9月:日本国内の離島(それ以外は東京都内)
(B)新潟県岩船郡粟島浦村内浦地区(新設ビーチパーク内)
(C)新潟県岩船郡粟島浦村全域(ビーチ、キャンプ場、船の上など)

給与

(A)月給18万円~(業務範囲によって決定)
(B)日給7000円(宿+賄い付き) or じゃがいも半年分
(C)3食宿付き+様々なアクティビティの体験

勤務時間

(A)(B)(C)10:00~19:00(混み具合による)

休日

(A)週休二日制(夏季はシフトにより決定)
(B)週休二日制(シフトにより決定)
(C)応相談

応募条件

(A)もっと、各地域との精神的な距離を縮めたい!っという方(年齢不問)
(B)今年の夏は離島のビーチ!っと決めている方(年齢は25歳以下くらい)
(C)お金よりも体験!っという方(年齢は30歳以下くらい)

宿泊費用

無料

期間

(A)3ヶ月単位での契約更新
(B)短期アルバイト(8〜9月中旬頃)
(C)短期ボランティアスタッフ(8〜9月中旬頃)

交通費

自己負担

選考方法

書類審査→面接→飲み会→採用

申し込みフォーム

今回の募集は終了いたしました。次の機会をお待ちください。

入力内容に誤りがあります。
確認して再度お試しください。

ページを更新してから、もう1度送信ください。
それでも送信できない場合は、問い合わせよりご連絡ください。