福島県・会津若松市に移住したい!生活環境や移住支援制度、求人傾向を解説

福島県の内陸部、ほぼ中央に位置する会津若松市。会津地方の中心部であり、歴史的な名所や自然景観が楽しめるスポットが豊富な全国区の観光地として知られています。会津若松市に移住するならどんな暮らしが待っているのか?買い物や交通環境、レジャーなど、日常生活の視点や、移住者が利用できる支援制度、現地の求人傾向などを紹介します。

自然と歴史遺産に囲まれた町!会津若松市の生活環境

会津若松市は、福島県西部に位置する会津若松地方の中心都市。南部には会津若松市最高峰の山、「大戸山」を含む大戸岳。東部には県内最大であり、日本で4番目の面積を誇る湖、猪苗代湖を市域に含み、豊かな自然に恵まれています。

人口は、115,731人(※令和4年1月1日時点)と、県庁所在地がある福島市の282,318人(※令和4年2月1日時点)の半数以下。また、令和2年3月1日に発表されたデータによると、0〜12歳の人口割合が11.9%であるのに対し、65歳以上が31.3%と、老年人口が年少人口の2倍を上回り、人口減少や少子高齢化が深刻な課題となっています。

一方、「白虎隊」や「新撰組」で知られる会津藩や、戊辰戦争の舞台となった鶴ヶ城など歴史的な資産が多く、全国区の観光名所として知られる一面も。コロナ禍以前は県内外から訪れた観光客で賑わっていました。

福島県会津若松市の位置と名産品・名所を示す地図

<データ参照>会津若松市|https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2016092900034/files/20200301.pdf
<データ参照>会津若松市|https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2016092900034/files/20220101.pdf

<データ参照>福島市|
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/jouhouka-toukei/shise/tokejoho/suikejinko/index.html

会津若松市の生活環境

山や湖に囲まれた美しい自然環境と、盆地特有の寒暖差が育む農作物が魅力の会津若松市。各所に残る城下町の史跡をはじめ、大正ロマン溢れる街並みの商店街など、全国的に有名な観光資源の数々は、地元の人々の誇りです。

一方で、雪かきや寒さ対策など、雪国ならではの不便や、公共交通機関の利便性が低い点は、移住者にとって慣れが必要でしょう。

【交通・買い物】日常生活には車が必須!

東京から会津若松駅へは東北新幹線と磐越西線(ばんえつさいせん)を乗り継ぎおよそ2時間半。駅周辺には市内の名所を巡る周遊バスが30分おきに運行しているため、観光には便利です。

一方、通勤や通学など、生活のための移動に必要な電車やバスの本数は少なく、JR只見線の場合、始発駅である会津若松駅から小出方面への電車は多くても1時間に2本。バスは行き先にもよりますが、若松駅前バスターミナルから野沢方面行きの場合、平日でも1日に2本程度の運行です(※2022年2月時点)。

中心部である会津若松駅周辺には、『ヨークベニマル』や『業務スーパー』などのスーパーマーケットを始め、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどが点在。日常の買い物には不便しません。また、会津若松駅から2駅離れた西若松駅周辺には、複合ショッピング施設の『MEGAドン・キホーテ』があり、暮らしに必要な雑貨からファストフードまで、さまざまな店舗がそろっています。

<参照>会津バス|https://aizubus.info/timetable/find/?f_from_type=1&nx=&f_from=%E4%BC%9A%E6%B4%A5%E8%8B%A5%E6%9D%BE%E9%A7%85&f_from_genre=

【気候】冬は厳重な雪対策を!

夏は暑く冬は寒いという盆地特有の寒暖差に加え、冬季は日本海側の気候が重なり深い雪に閉ざされることも。とくに標高の高い地域は寒さ、積雪量共に厳しく、より厳重な冬支度が必要です。

気温の低下や積雪がある日は路面が凍結することもあるため、服装や履物には注意しましょう。車移動の際はスタッドレスタイヤへの履き替えや、スコップやロープなど雪に嵌った時のための備えが必須です。また、公共交通機関も雪や凍結による遅れが発生しがちなため、通勤・通学の際は到着予定時刻より早めの出発を心がける必要があります。

会津若松市での暮らしは雪国ならではの対策や工夫が必要である反面、自然の中で四季の移ろいを身近に感じられる、都会では味わえない豊かな経験ができます。

【自然環境】雄大な自然に囲まれた地

会津若松市と南会津郡下郷町をまたがる大戸岳は、磐梯山、猪苗代湖、安達太良山、吾妻山、羽鳥湖などが一望できる登山スポット。例年、毎年6月ごろ「大戸岳山開き」が行われ、市内外から多くの登山客が訪れます。

また、福島県のほぼ中央に位置し、会津若松市、郡山市、耶麻郡猪苗代町の3つの市町をまたがる猪苗代湖は、県のシンボル的存在。北部に鎮座する磐梯山の四季折々の姿を鏡のように映し出すことから、「天鏡湖」とも呼ばれています。

【レジャー】史跡からリゾートまで

会津若松駅から電車で1駅の場所にある「七日町通り」は、明治から昭和初期にかけて建てられた建造物を再生しながら受け継いできたレトロな商店街。大正ロマンあふれる街並みを楽しめるほか、伝統工芸品を扱った土産物屋も点在しています。

市の中心地から車で10分。「会津の奥座敷」とも呼ばれる東山温泉は、およそ1300年前に発見されたという歴史ある湯の街。山間の豊かな自然と歴史情緒を感じられる街並みが魅力です。

猪苗代湖周辺は自然豊かなリゾート地としても知られ、キャンプ場やスキー場などのアウトドアスポットや宿泊施設が充実。一年を通して多くのレジャー客が訪れます。

会津若松市で行っている移住支援

会津若松市には、政府が行っている移住支援制度(単身で移住の場合:60万円/世帯で移住の場合:100万円)の他にも、市独自の移住や定住支援があります。その中から、移住する際に役立つ制度や暮らしにかかわる支援の一部を紹介します。

会津若松市移住希望者宿泊費補助金

会津若松市への移住を希望する人が、求職活動や住まい探しのために会津若松市に滞在する際の宿泊費を、1人につき1回、1世帯最大2人まで助成(1泊につき最大2,500円・宿泊費の1/2以内)。
お問い合わせ:会津若松市地域づくり課(0242-39-1202)

会津地域移住希望者応援補助金

県外から会津地方振興局管内13市町村への移住・定住を希望し、現地見学を行う際の宿泊費を、1人につき1回、1世帯最大2人まで助成(1泊につき最大2,500円・宿泊費の1/2以内)。
お問い合わせ:福島県会津地方振興局企画商工部 地域づくり・商工労政課(0242-29-5292)

会津若松市の子育て支援

少子高齢化が進む会津若松市では、子どもの医療費助成と並行して、親が働きながら子育てしやすい環境づくりを推進しています。

共働き家庭をサポートする病児保育所、育児に関する相談や保護者の交流の場として活用できる子育て支援センターが設置されているほか、運動公園や図書館などの遊び場も充実しています。

子ども医療費助成制度

0歳から中学校3年生までの医療費(保険診療分)の自己負担額が無料。
お問い合わせ:会津若松市役所 こども家庭課
(0242-39-1243)

ひとり親家庭医療費助成

ひとり親家庭の親と児童、または父母のない児童の医療費の一部を助成。
お問い合わせ:会津若松市役所 こども家庭課(0242-39-1243)

会津若松市の住居支援

会津若松市では、不動産業者と連携して住まい探しのサポートを行っています。また「空き家バンク」の設置により、地域の空き家をインターネットから探すことができます。

空き家バンクの仕組みの図

<参考>会津若松市移住支援|http://aizuwakamatsu-iju.jp/house/vacancy

循環型地域経済活性化奨励金

福島県や市で生産した建材を使用し、特定の建築業者で建物を建設・購入した方を対象に、建物にかかる固定資産税相当額を支給(最大500,000円)。
お問い合わせ:会津若松市役所 商工課(0242-39-1252)

会津若松市で働く魅力は?

会津地域全体の求人を管轄する「ハローワーク会津若松」の令和2年有効求人倍率は1倍。福島県全体として下がり傾向ではありますが、県内トップである相双地域の1.86倍のおよそ半数であり、全地域では最下位の数値です。

就職は厳しい状況にある一方、近年は移住者が市内で事業を始めるためのサテライトオフィス体験施設や、テレワークに利用できるコワーキングスペースなどが点在。市内での就職に囚われない選択肢が広がりつつあります。

地域の特徴的な産業は、観光や農業、会津漆器などの伝統工芸のほか、水力発電などの再生可能エネルギー、電子精密機械生産など。中でも製造業の求人は比較的多く、半導体製造業や電子精密機器などの企業が密集し、電子精密機械産業の一大生産拠点として地域経済を発展させてきた背景が見られます。

<データ参照>https://jsite.mhlw.go.jp/fukushima-roudoukyoku/content/contents/000881346.pdf

会津若松市の魅力的な企業を紹介

会津若松市では2013年から、ICT(情報通信技術)を活用した町づくり、「スマートシティ会津若松」を推進しています。2019年にはITやデータ分析の拠点となるオフィスビル「AiCT(アイクト)」を市内に設置し、日本マイクロソフトやNECなどの大手企業が多数入居。最先端のIT技術を地域のために役立てるとともに、魅力的で安定した収入が得られる企業を誘致することで、地域活性化を目指してきました。

ここでは、「スマートシティ会津若松」に参加する企業の一部を紹介します。

<参考>:スマートシティAICT|https://aizu-aiyumu.co.jp/

アクセンチュア株式会社 アクセンチュア・イノベーションセンター福島

業種:「スマートシティ会津若松」事業の推進
所在地:福島県会津若松市東栄町1-77 会津若松市 ICTオフィスビル(スマートシティAiCT)
HP:https://www.accenture.com/jp-ja/about/accenture-innovation-center-fukushima

日本マイクロソフト株式会社

業種:情報・通信業
所在地:福島県会津若松市東栄町1-77 会津若松市 ICTオフィスビル(スマートシティAiCT)
HP:https://www.microsoft.com/ja-jp/mscorp

株式会社会津ラボ

業種:OS/Androidアプリケーションなど、アプリケーションソフトウェアの開発
所在地:福島県会津若松市東栄町1-77 会津若松市 ICTオフィスビル(スマートシティAiCT)
HP:https://www.aizulab.com/

会津若松市での企業をサポートする「特定創業支援等事業」とは?

「特定創業支援等事業」とは、自治体の指定するセミナーなどで、経営・財務・人材育成・販路開拓などの知識習得を支援する事業のこと。市内での企業を目指す創業者は知識習得後、「特定創業支援等事業」を受けたことを証明する「支援証明書」を取得することで、以下の支援を受けられます。

(1)登記にかかる登録免許税の軽減
(2)事業開始6カ月前からの融資開始
(3)創業間もないなど、特定の条件を満たす場合、新創業融資制度の自己資金要件を撤廃

<参考>会津若松市|https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2014090200057/

 会津若松市の情報収集に役立つポータルサイト

福島県会津若松市への移住情報を掲載するポータルサイトを紹介します。移住前の情報収拾に活用してみては?

会津若松市 移住支援 来てみらんしょ 居てみらんしょ 住んでみらんしょ。

自治体が運営する支援情報に特化したサイト。最新の移住情報のほか、「先輩移住者」のインタビュー記事など、リアルな移住者の声がチェックできます。
HP:http://aizuwakamatsu-iju.jp/

会津若松市

市が運営する公式サイト。市全体の情報が得られるほか、移住に関する情報も豊富。更新頻度が高いため最新のデータや取り組みをチェックできます。
HP:https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/

※掲載した情報はすべて2022年2月下旬のものです。